大人のためのバレエ教室グランジュッテ/講師ブログ

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大人クラス|今月は内転筋っ!③ 脚が○○している感覚

今月は腿の内側の筋肉(内転筋)を意識して軸脚を安定させることを練習しています。それによって思わぬ効果を感じる生徒さんが多くいらっしゃいました。

それは脚の付け根から外へ回る(外旋)感覚です。
バレエを習っている方はみなさんアンドゥオールして立つのに多少なりとも苦労されていると思います。
生徒さんからは、
「はじめて脚が外へ回る感じがした」
「アンドォオールってこういう感じなんだ…」
と言った声が聞かれました。

内転筋を効果的に働かせて意識するためのポイントの1つに骨盤と腿の骨(大腿骨)の位置関係があります。この位置関係を適正にキープするように意識していただいた結果、脚の付け根から外へ回る感覚が感じられたのです。

どうして?

骨盤と大腿骨の位置関係をコントロールし安定させてくれるのが外旋六筋と呼ばれる筋肉たちでお尻の下の方にあります。名前の通り脚を外旋させてくれる筋肉たちなので、これらの筋肉が働いたことで脚が外へ回る感覚につながったのです。一言で言ってしまうとこういうことなのですが、そのメカニズムについてもう少し解説してみたいと思います。解剖学的な少しマニアックな内容になりますが、がんばって読んでみてください。

gaisen_6kin_side.jpg

▼外旋六筋の働き

まず、骨盤と大腿骨は股関節でつながっています。股関節は、腿の骨の上端にあるボールのような形をした骨頭(こっとう)と呼ばれる部分が、骨盤側の寛骨臼(かんこつきゅう)と呼ばれるソケットにはまルような形になっています。
この骨頭の反対側に大転子と呼ばれる大きな突起があります。これは脚の付け根の外側にあって外から触れることができます。外旋六筋はこの大転子と骨盤をつないでいます。これらの筋肉が働くと大転子が後ろの方に引っ張られて骨頭が前へ押し出されます。この動きが股関節の外旋です。そして大転子を骨盤の方に引っ張って動かないようにすることで股関節を安定させてくれます。

sgaisen_6kin.jpg

▼内転筋の外旋作用

さらに今回、軸脚を安定させるために働かせるように意識した内転筋も股関節外旋をサポートしてくれる筋肉の一つでもあります。内転筋は骨盤の前面にある恥骨から大腿骨のやや後ろの面とをつないでいるので、大腿骨の後面を前面に引っ張るような動きをして外旋作用をします。なのでバレエを習っている方の中には「腿の内側を前に出すように」というような先生の説明を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
注意が必要なのは内転筋の使い方です。内転の動作自体は外から内と水平方向の動きなので、外からギュッと内側に閉めるように力んでしまう方が多いのですが、このような働かせ方をすると逆に内旋方向に作用してしまいます。内転筋の筋線維はタテ方向なので、タテ方向に働かせるように意識しましょう。

▼腸腰筋の外旋作用

前回の記事で、大腰筋や腸骨筋(2つを合わせて腸腰筋と呼びます)が内転筋と連動して働くというお話をしました。この腸腰筋も外旋作用を持つ筋肉です。
腸腰筋はカラダの骨盤の前面を通って大腿骨の後方にある小転子につながっています。この筋肉が働くと小転子を前方へ引っ張る外旋作用をします。

少し難しい話になりましたが、軸脚を安定させることを目的に内転筋を意識するよう指導をいたしましたが、姿勢の安定や股関節の外旋などを感じていただく結果になりました。バレエの姿勢を作るのにとても大事な根本的なことなので忘れずに意識し続けながらレッスンをがんばって欲しいです!

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