大人のためのバレエ教室グランジュッテ/講師ブログ

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1(いち)から見直す大人バレエ(2月3日)〜股関節の可動域最大化&安定させる立ち方

脱・万年バレエ初心者、上達の伸び悩み解消のため「正確な動き」「筋肉の強さ」「コーディネーション」を見直すクラスです。

この日は股関節の可動域を最大化させ、同時に安定させる立ち方を練習しました。

片足になった時に軸脚がブレたり沈んだりしませんか?軸脚の安定に股関節の安定は欠かせません。そのために意識して欲しい身体の使い方を練習しました。
1.中臀筋を長くした状態で引き締める
2.腿の筋肉を引き上げる

1.中臀筋を長くした状態で引き締める

中臀筋は骨盤の側面にあって骨盤と大転子(腿の骨)をつないでいます。骨盤と腿の骨をつなぐ関節は股関節で中臀筋は股関節の安定に関係します。
骨盤と大転子の間を広げるように中臀筋を引き締めることで股関節が引き上がり安定します。内転筋群は中臀筋とペアで働くので腿の内側が引き締まるのを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

中臀筋が緩んでいると骨盤は下がって大腿骨の骨頭に乗っかってしまいます。骨頭に乗っかると
1)股関節の可動域が制限されて外旋し難くになる
2)膝の捻れ足首や足裏のアーチが崩れる
3)股関節が不安定になるなどのリスクが発生します。

中臀筋を働かせて股関節に寄りかからない立ち方をしましょう。

2.腿の筋肉を引き上げる

腿には前側(大腿四頭筋)、内側(内転筋群)、裏側(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)に大きな筋肉があります。これらの筋肉をしっかり働かせましょう!

これらの筋肉の筋線維は全て縦方向に走っています。なので働かせる時も縦 の方向に引き上げるように意識します。姿勢が整い安定します。

<実践>
上記のことを意識しながらタンデュとジュテを両手バー、片手バーとセンターで練習しました。
両手バーではよくできましたが、片手バーやセンターではうまく動けない方向もありました。

一回のレッスンでできるようにはならないので普段のレッスンで意識し続けること、ご自身でゆっくりの動きでの練習を続けていただきたいです。しっかり筋肉の強さを身につけましょう。

1(いち)から見直す大人バレエ(1月27日)〜動きはじめの足裏の意識

センターレッスンの苦手克服のため、「正確な動き」「筋肉の強さ」「コーディネーション」を見直すクラスです。

この日は足裏の意識から動き出す練習をしました。

タンデュをすると「前腿を使ってしまう」「つま先を伸ばした時にアキレス腱がつまる」などの悩みはありませんか?足裏から動き出すように意識するとスムーズに動けるようになります。
1.フロアで足裏を動かす練習
2.両手バーで足裏を意識しながらプリエ、タンデュ、ジュテ
3.センターで歩く、タン・リエ

▼フロアで足裏を動かす練習

親指・小指の付け根とかかとの3点で足裏を縮めてアーチを高くする練習をしました。足裏には内在筋というのがあり内在筋で動かします。
慣れないと足指を握ってしまったり、足指の付け根が浮いてしまったりするのですが根気よく練習してください。意外と早くできるようになりますよ。

※足指を反らせると(背屈)足裏のアーチが上がるのですが、これは足底筋膜が緊張した状態(ウインドラス機構といいます)で筋肉の動きではありません。

▼両手バーで足裏を意識しながらプリエ、タンデュ、ジュテ

プリエでは足裏が伸びることを確認。

タンデュとジュテでは足裏から動く練習をしました。足を出して最後につま先を伸ばすのではなく、動き出しからつま先を伸ばす動きは始まっている!

※床を掴むような感じや床を蹴るような感覚を感じる方もいらっしゃると思いますが、あくまで足裏の動きで床に対する作用ではないので注意が必要です。

▼センターで歩く、タン・リエ

歩く練習をしました。パリ・オペラ座のデフィレのように…。コレ、ちゃんとやるのは意外と大変。
●足裏が床から離れる時に足裏を働かせてつま先を伸ばす。
●足を着くと同時に反対の足は床から離れクドゥピエを通過する(足を着いてからではない)。

これらを意識してタン・リエ(ア・テール)。これ自体は順番も難しくないですが、正しい動きで行うと途端にぎこちなくなってしまいます。

<まとめ>
ポーズだけでなく動きの細部までバレエの動きでできるようになりましょう。複雑なアンシェヌマンで見直すのは難しいので初歩的な動きでゆっくりのテンポで丁寧に行うことが大事です。

12月まとめ

12月は足関節(足首)の動きにフォーカスしました。
1.ルルヴェの時の足の動き
2.プリエの時の足の動き

1.ルルヴェの時の足の動き

踵(かかと)を上げるのではなく足裏のアーチで足の甲(親指・人さし指・中指の三本の指)を下から押し上げるイメージでルルヴェをする。

踵は体の後ろ側にあるのに対し足の甲は体の前側にありますよね。
どちらを上げるように意識するかで動きも大きく変わります。

【解説】
脛(すね)の骨の下には距骨(きょこつ)という骨があり、更に距骨の前には舟状骨(しゅうじょうこつ)を介して親指・人さし指・中指へとつながっています。

距骨の下には踵骨(しょうこつ/かかと)があり、踵骨の前には立方骨(りっぽうこつ)を介して薬指・小指へとつながっています。

なので踵を上げるようにルルヴェをすると小指側に体重が逃げやすくなってしまいます。
それに対して親指・人さし指・中指を持ち上げるようにルルヴェをすると親指の付け根にしっかり乗れるのと足首ー脛ー膝ー腿とアライメントが整います。

三本の指を下から押し上げるには足裏の踵の骨の前の筋肉を収縮させます。
なので足裏の筋肉を強化しましょう!

【効果】
●ルルヴェをした時やトゥシューズで立ったに足首が安定するようになります。
●アキレス腱や足首周りのトラブルのリスクを軽減できるようになります。

2.プリエの時の足の動き

プリエをすると足裏のアーチは低くなるのはご存知でしょうか?
これは骨格の動きによるもので、決してプリエの動きで足裏に体重がかかって押しつぶされる訳ではありません。

【解説】
脛の骨の下に距骨という骨があることは先ほど触れました。
プリエで足首が曲がる時距骨が後方に下がります。
これも先ほど説明しましたが、距骨の前には舟状骨が距骨の下には踵骨があります。これらの骨も距骨と一緒に後方に下がり足全体が前後に広がりアーチが下がるという訳です。

【効果】
●ジャンプの原動力を得られるようになります。
●柔らかいジャンプの着地ができるようになります。

ルルヴェの正確な形とプリエの正確な形を練習することで正しいジャンプができるようにもなります。丁寧に練習していただきたいです。

1(いち)から見直す大人バレエ(12月2日)〜ルティレで片足バランスを見直す

センターレッスンの苦手克服を目指すため、初歩から「正確な動き」「筋肉の強さ」「コーディネーション」を見直すクラスです。

この日はルティレ(ア・テール)を練習しました。
1.止まった姿勢からのルティレ
2.2番プリエからのルティレ

ルティレはデヴロッペで通過するポジションでありピルエットでの姿勢でもあります。デヴロッペでは止まった状態から、ピルエットでは2番や4番ポジションから重心を移動させて安定した姿勢を作らなくてはなりません。

▼まずはウォーミングアップを兼ねてタンデュ、ジュテ

動かす脚と軸側のコーディネーションと軸の強さをゆっくりのテンポで確認しました。
この時点でも1曲終わる度にため息がもれます。

▼ルティレの正しい作り方

つま先の膝の位置に付けますが正しい運び方をしないと似て非なるものになってしまいます。
これまでピルエットの特別レッスンや個人レッスンなどで多くの方を指導させていただきましたが、意外とこの動作が正しくできていない方が多かったです。

▼ルティレの姿勢をキープする練習

重さでバランスをとると重心の位置が軸脚の方へズレてしまいます。

身体を引き上げながら「筋肉で支える感覚」を身につけ「重心の位置」を覚えます。

▼2番ポジションのプリエからルティレ

2番ポジションのプリエからルティレの姿勢を作ります。両足で踏み切って片足で立ちます。ここでキープする練習で確認した「引き上げる感覚」や「重心の位置」が役立ちます。
軸に重心を移してからルティレになるのではなく一気にルティレを作れるように繰り返し練習をしてください。

次回はルルヴェでルティレを作る練習をしてみましょう!

11月まとめ

11月は次の2つの意識をフォーカスしました。
1.腿裏の筋肉
2.広背筋

1.腿裏の筋肉

腿裏の筋肉を働かせてお尻の下の方(坐骨)の辺りにしまる感覚を意識する。

【解説】
腿裏の外側には大腿二頭筋、内側には半腱様筋・半膜様筋という筋肉があります。(筋肉の名前はさておき外と内側にそれぞれ筋肉があるということは覚えておいてください。)

筋肉はタテ方向についているのでタテ方向に働かせるようにイメージしましょう。そうすると筋肉の付着部の坐骨の辺りに閉まるような感覚や下から押し上げるような感覚が感じられます。

腿裏の筋肉はアンドゥオールをサポートする筋肉で特に外側の大腿二頭筋は膝下(脛)の凱旋にも関わります。

【効果】
●軸脚、動作脚のアンドゥオールをサポート
●軸脚の強さ
●姿勢の安定、バーレッスンで軸脚をまっすぐに保てない、アレグロでお尻が引けてしまうなどを改善

2.広背筋

脇がしまった感覚を保ったまま姿勢をキープしたり腕を動かす練習をしました。

【解説】
腰から脇にかけて広背筋という大きな筋肉があります。

腕を広げて肘を外へ引っぱるように意識すると脇がしまるような感覚や脇が引き上げるような感覚があります。腕がどの位置にあってもその感覚を保つ練習をしました。腕が下がった状態でも脇が緩むことはありません。

広背筋は体幹の安定に関わるだけでなく、骨盤や腰椎(骨盤の腰部)に付着しているので腰部の引き上げもサポートします。

【効果】
●姿勢のひき上げをサポート
●バーレッスンでバーに頼ったりバーを強く握ったり腕に力が入ったりの改善
●アームスの安定
●日常生活で座っている時の姿勢改善

センターになると動けなくなる悩み解決

バーでは動けるのにセンターになると軸脚が不安定で「思ったように動けなくなってしまう」「アンドゥオールが保てなくなってしまう」といった悩みのある方は少なくないのではないでしょうか?
どの筋肉をどのように使うのかを理解して練習することで軸脚を安定させることができるようになります。

▼骨格をみてみよう

ko_kansetsu01.jpg

片脚で立っている時、脚1本で上半身を支えています。当たり前のことではありますが、1枚目の写真を見ると上半身のボリュームに対して上半身を支える脚があまりに頼りなく見えることに驚くのではないでしょうか。

ko_kansetsu02.jpg

しかも、上半身と脚をつないでいる股関節は球関節になっていて可動域の大きな動きやすい関節です(写真2枚目)。
動きやすいといいうことは不安定になりやすいということです。
なので筋肉でしっかり支える必要があるし、支える筋肉の強さを育てる必要があります。

▼股関節を安定させる筋肉

股関節を安定させるために働く筋肉たちについてお話します。
▼まずは骨盤を安定させる筋肉。
外旋六筋:骨盤を安定させアンドゥオールさせてくれる筋肉です(2つ前の投稿で紹介した筋肉です)。
大人クラス|今月は内転筋っ!③ 脚が○○している感覚
腹横筋:骨盤を安定させるために体幹の安定も不可欠です(3つ前の投稿で紹介した筋肉です)。
大人クラス|今月は内転筋っ!② 内転筋を意識したら○○がきれいになった !? !?

▼次に片脚で立った時のバランスを支えてくれる筋肉
中殿筋:骨盤の腸骨と腿の骨(大腿骨)の先端にある大転子をつないでいます。体の外側から支えてくれます。
内転筋:腿の内側にあって大腿骨と骨盤をつないでいます。内側からバランスを支えてくれます(4つ前の投稿で紹介した筋肉です)。
大人クラス|今月は内転筋っ!①

▼レッスンで支える強さを身につけるには…

筋肉が分かったところでこれらの筋肉の強さをどのように育てるのかについてお話します。
●バーレッスンで動きを流さないようにしましょう。出した脚がブレないようにし、脚を戻す時も必ず最初の準備のポジションに戻るようにしましょう。
●重さでバランスをとらずに筋肉の強さと運動で姿勢を支えるように意識しましょう。
グランジュッテでは、入門のクラスではゆっくりのテンポでポーズをキープするカウントをとるようにしています。

いかがでしたか?
筋肉で支えなくてはいけないワケとどの筋肉を働かせるのお分かりいただけましたか。
ポジションの強さを身につけることでセンターでも踊れるようになります。

足首が硬くてプリエがやりずらい原因は?楽にできるようにする方法

かかとを床につけたまましゃがめますか?

踵(かかと)を床から浮かせずにしゃがめない方、少なくないのではないでしょうか?
実は私もその一人です。ずっとアキレス腱が短いからと諦めていました。
足首が硬いとプリエでやり難さを感じてしまうかもしれませんね。
アキレス腱も一つの原因かもしれませんが、脛(すね)の筋肉をほぐすことで足首は動きやすくなります。

脛の筋肉の張りが足首の硬さの原因の1つ

足首を動かす時に脛と足の間にある距骨という骨が動くのですが、脛の筋肉が凝り固まっているとこの距骨の動きが悪くなり足首の硬さにつながります。なので、脛の筋肉をほぐすことが足首の硬さを解消するのに有効なのです。
まず、足関節の構造についてお話します。
脛は太い脛骨と細い腓骨と2本の骨で構成されています。
この2本の脛の骨の下に距骨と呼ばれる骨があります。2本の骨の間に挟まれています。
足首を伸ばすと距骨は前に押し出されて表に出てきます。
足首を曲げると距骨は後ろに戻ります。
距骨がまん丸な球状をしていれば滑らかに動けそうでよいのですが、どちらかというと四角い形をしています。
そして前側が少し広がっています。なので、足首を曲げると、距骨が脛骨と腓骨の2本骨の間を少し押し広げるようにしながら後ろに下がるのです。
脛骨と腓骨は下腿骨間膜という膜組織でつながっています。足首を曲げると脛骨と腓骨の間が少し広がるのでこの骨間膜は伸びて広がります。
この骨間膜が硬いと脛骨と腓骨が広がり難くなって、距骨が後ろに戻りにくくなり足首を曲げにくくなるというワケなのです。

では、どういう時に骨間膜は硬くなるのでしょうか?
この膜組織には、前側から前脛骨筋、後ろ側から後脛骨筋という2つの筋肉が付着しています。
この2つの筋肉が凝り固まっていると、膜組織も伸びにくくなってしまうのです。

ふぅ〜、イメージできましたか?

凝り固まった脛の筋肉をゆるめる

凝り固まった脛の筋肉はゆるめなくてはなりません。自分で揉んでほぐす方法を紹介します。
脛の筋肉をほぐすと膝下が軽くなったように感じたり、張りがとれてほっそりしたりします。ぜひやってみてください。

前脛骨筋の凝りをほぐす

膝の下に太い骨があるのがすぐに分かると思います。その骨が脛骨です。その外側にある筋肉が前脛骨筋です。前脛骨筋をほぐす時は脛の長さの上から1/3辺りの筋肉が盛り上がっている辺りを押さえながら足首の曲げ伸ばしをしてみてください。激しい痛みを感じるかもしれません。その場合は足首を動かさずに指で押すだけでもいいです。ほぐれてきたら足首を動かしてみましょう。ゆっくりと徐々に揉むようにしてください。

後脛骨筋の凝りをほぐす

内くるぶしの上に太い骨があるのが見つかると思います。脛骨です。後脛骨筋は内くるぶしの後ろを脛骨に沿って通りふくらはぎの外側に伸びています。後脛骨筋をほぐす時は、内くるぶしの後ろから少し上の脛骨の際を揉みながら足首の曲げ伸ばしをします。このエリアもまた激しい痛みを感じるかもしれません。その場合は前脛骨筋と同じように足首を動かさずに指で押すだけでもいいです。ほぐれてきたら足首を動かしてみましょう。ゆっくりと徐々に揉むようにしてください。

立ち方を見直そう

脛の筋肉をほぐして足首が動きやすくなっても一時的です。脛の筋肉が凝る原因となる普段の姿勢や習慣を取り除かないとまた脛の筋肉が凝り固まってしまいます。
脛の筋肉に負担のかかる日常の姿勢や習慣には以下のような事があげられます。当てはまる項目がある方はぜひ見直してください。
●猫背でお腹を前に突き出すような姿勢で立っている。
●ハイヒールを履くことが多く、つま先重心で立つ癖がある。
●つま先がまっすぐ前を向いているのに膝が内側を向いている。ふくらはぎの内側がつかない状態になることが多いです。
●立ち仕事などで立っている時間が長い。

いかがでしたか?
足首の硬さを感じる方は脛の筋肉をほぐすことで足首は動きやすくなります。
そして、普段の姿勢を習慣を見直して脛の筋肉に負担をかけ過ぎないように注意してください。

カラダを知ると、カラダは変わります! 美しく、楽しく、気持ちのいい毎日を!

大人クラス|今月は内転筋っ!③ 脚が○○している感覚

今月は腿の内側の筋肉(内転筋)を意識して軸脚を安定させることを練習しています。それによって思わぬ効果を感じる生徒さんが多くいらっしゃいました。

それは脚の付け根から外へ回る(外旋)感覚です。
バレエを習っている方はみなさんアンドゥオールして立つのに多少なりとも苦労されていると思います。
生徒さんからは、
「はじめて脚が外へ回る感じがした」
「アンドォオールってこういう感じなんだ…」
と言った声が聞かれました。

内転筋を効果的に働かせて意識するためのポイントの1つに骨盤と腿の骨(大腿骨)の位置関係があります。この位置関係を適正にキープするように意識していただいた結果、脚の付け根から外へ回る感覚が感じられたのです。

どうして?

骨盤と大腿骨の位置関係をコントロールし安定させてくれるのが外旋六筋と呼ばれる筋肉たちでお尻の下の方にあります。名前の通り脚を外旋させてくれる筋肉たちなので、これらの筋肉が働いたことで脚が外へ回る感覚につながったのです。一言で言ってしまうとこういうことなのですが、そのメカニズムについてもう少し解説してみたいと思います。解剖学的な少しマニアックな内容になりますが、がんばって読んでみてください。

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▼外旋六筋の働き

まず、骨盤と大腿骨は股関節でつながっています。股関節は、腿の骨の上端にあるボールのような形をした骨頭(こっとう)と呼ばれる部分が、骨盤側の寛骨臼(かんこつきゅう)と呼ばれるソケットにはまルような形になっています。
この骨頭の反対側に大転子と呼ばれる大きな突起があります。これは脚の付け根の外側にあって外から触れることができます。外旋六筋はこの大転子と骨盤をつないでいます。これらの筋肉が働くと大転子が後ろの方に引っ張られて骨頭が前へ押し出されます。この動きが股関節の外旋です。そして大転子を骨盤の方に引っ張って動かないようにすることで股関節を安定させてくれます。

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▼内転筋の外旋作用

さらに今回、軸脚を安定させるために働かせるように意識した内転筋も股関節外旋をサポートしてくれる筋肉の一つでもあります。内転筋は骨盤の前面にある恥骨から大腿骨のやや後ろの面とをつないでいるので、大腿骨の後面を前面に引っ張るような動きをして外旋作用をします。なのでバレエを習っている方の中には「腿の内側を前に出すように」というような先生の説明を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
注意が必要なのは内転筋の使い方です。内転の動作自体は外から内と水平方向の動きなので、外からギュッと内側に閉めるように力んでしまう方が多いのですが、このような働かせ方をすると逆に内旋方向に作用してしまいます。内転筋の筋線維はタテ方向なので、タテ方向に働かせるように意識しましょう。

▼腸腰筋の外旋作用

前回の記事で、大腰筋や腸骨筋(2つを合わせて腸腰筋と呼びます)が内転筋と連動して働くというお話をしました。この腸腰筋も外旋作用を持つ筋肉です。
腸腰筋はカラダの骨盤の前面を通って大腿骨の後方にある小転子につながっています。この筋肉が働くと小転子を前方へ引っ張る外旋作用をします。

少し難しい話になりましたが、軸脚を安定させることを目的に内転筋を意識するよう指導をいたしましたが、姿勢の安定や股関節の外旋などを感じていただく結果になりました。バレエの姿勢を作るのにとても大事な根本的なことなので忘れずに意識し続けながらレッスンをがんばって欲しいです!

大人クラス|今月は内転筋っ!② 内転筋を意識したら○○がきれいになった !? !?

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今月、大人クラスでは軸脚の腿の内側の筋肉(内転筋)を意識しながらブレないで立つ練習をしています。そんな取り組みをすることで、思いがけないところによい効果が見られました。

それは、上半身がきれいになったことです。背骨が長く保たれ、首や腕が力まずにスッと伸びて美しい立ち姿になりました。
内転筋を正しく働かせると、お腹のインナーマッスル(腹横筋、骨盤底筋群、大腰筋、腸骨筋など)が連動して働きやすくなったり上半身が安定したりするのですが、それでみなさんの立ち姿がきれいになったのですね。
きれいな上半身を作るために
「首を長く伸ばしてっ!」
「肩が上がらないようにっ!」
「肘を丸く保って!」
「胸を広くっ!」
などと声かけをするのですが、これらの言葉よりも骨盤まわりがブレない練習をする方が効果的に思えます。骨盤まわりの安定が何よりも大切であることを改めて気づかされます。

まずは内転筋の存在を感じていただくこと、その次の段階として内転筋を使えるようになって欲しいと思っていたので、上半身にも効果が現れたことは期待以上で驚きです。みなさんががんばっていただいていること、カラダの使い方が上手になっていることに嬉しくなりました。

なんと…内転筋を意識することで感じた今までとは違った感覚はもう1つあるのです。それについてはまた次回…

大人クラス|今月は内転筋っ!①

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今月の大人クラスは、腿の内側の筋肉(内転筋)にフォーカスを当てます。
特に軸足の内転筋を意識できるようになっていただきたいと思います。

内転筋は写真の点線部にある筋肉です。腿の骨(大腿骨といいます)は斜めになっていて、内転筋は内側で骨盤を支える構造になっています。この内転筋の支えが弱かったら?て考えていただくと、立っている時の内転筋の支えの大事さを容易に分かっていただけると思います。一言付け加えると、片脚で立っている時に内側の筋肉が弱かったら外側ががんばってしまいますよね?

というワケで、レッスンでは、
「腿の内側を意識してぇ〜っ!」
「腿の内側を引かないようにぃ〜っ!」
「脚を出す時に軸脚がブレないように内腿を働かせてぇ〜っ!」
「出した脚を戻す時も内腿を引き上げながらぁ〜っ!」
と内転筋に関する声かけばかりを連呼(笑)
同時に一人一人回って内転筋が働いているかチェックしたり、動きをサポートしました。

内転筋に意識を集中させながら、マイナス30%までテンポを落としたゆっくりな音に合わせて丁寧に体を動かすので、曲が終わると深いため息と「き つ い…」の一言がこぼれます。
でも、みなさん、内転筋を意識していつもと違った感覚を感じることができ満足そうでもあります。

そして、内転筋を意識することで、他にも今までとは違った感覚があったようです。それについてはまた次回…

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